使い終わった化粧品容器を再利用。
『ファンケル アップサイクル クリアファイル』
誕生の舞台裏

制作秘話
ファンケルとデザインフィルで共同製作したクリアファイル。化粧品の空き容器をクリアファイルにアップサイクルしたもの

日本有数の化粧品・健康食品メーカーである株式会社ファンケル(以下、ファンケル)は、使用済み化粧品容器を回収し、植木鉢などにアップサイクルをする活動「FANCL リサイクルプログラム」を行っています。この取り組みの一つとして、デザインフィルではこの容器を再利用した『クリアファイル』の企画・製作を行いました。回収された容器がノベルティに生まれ変わるまでの舞台裏をご紹介します。

限りある資源を大切に。化粧品容器から生まれた、ボタニカル柄のクリアファイル

今回クリアファイルに生まれ変わったのは、ファンケルの製品『マイルドクレンジング オイル』の使用済み容器です。

きっかけは、2023年に当社が開催したプライベートショーで、展示していた「脱プラの文房具」や「廃材を紙に漉きこんだグッズ」をご覧いただいたことでした。ファンケルのご担当者さまから「使用済みの化粧品容器を直営店舗で回収しているが、さまざまな課題があり、化粧品容器への再生が難しい。素材を再利用し、何か魅力的なグッズをつくれないか」とご相談をいただきました。容器の素材を生かした魅力的なもの、さらには、ファンケルの先にいるお客さまに喜んでいただけるプロダクトを考え、ナチュラルなデザインの『クリアファイル』が出来上がりました。

今回クリアファイルに生まれ変わったのは、ファンケルの製品『マイルドクレンジング オイル』の使用済み容器です。

きっかけは、2023年に当社が開催したプライベートショーで、展示していた「脱プラの文房具」や「廃材を紙に漉きこんだグッズ」をご覧いただいたことでした。ファンケルのご担当者さまから「使用済みの化粧品容器を直営店舗で回収しているが、さまざまな課題があり、化粧品容器への再生が難しい。素材を再利用し、何か魅力的なグッズをつくれないか」とご相談をいただきました。容器の素材を生かした魅力的なもの、さらには、ファンケルの先にいるお客さまに喜んでいただけるプロダクトを考え、ナチュラルなデザインの『クリアファイル』が出来上がりました。

FANCL リサイクルプログラム アップサイクルクリアファイル 製造過程

● 『マイルドクレンジング オイル』使用済み容器を全国のファンケル直営店舗で回収
● ファンケル特例子会社のファンケルスマイルで容器の分別・洗浄・乾燥・粉砕
● ペレットをさらに細かく粉砕し、シート状にして印刷
● 溶着加工
● 完成

● 『マイルドクレンジング オイル』使用済み容器を全国のファンケル直営店舗で回収
● ファンケル特例子会社のファンケルスマイルで容器の分別・洗浄・乾燥・粉砕
● ペレットをさらに細かく粉砕し、シート状にして印刷
● 溶着加工
● 完成

マイルドクレンジング オイルのボトル画像
『マイルドクレンジング オイル』使用済み容器
ボトルが洗浄後、粉砕された画像
容器を洗浄後、粉砕
粉砕された化粧品の空き容器がPETシートとなり、印刷をかけた状態
シート状に印刷
ファイル完成図
完成

開発に立ちはだかったさまざまな困難

アップサイクルでの製品づくりは、素材を均質にすることが難しいためにさまざまな壁が立ちはだかります。今回のプロジェクトメンバーに、開発の裏話を聞いてみました。

───企画が形になるまでに、苦労した点はありましたか?

市川(生産管理) 最も難しかったのは、ファイルを超音波溶着する工程です。一般的にクリアファイルの素材にはPPを使用するところ、今回使用する化粧品容器がPET製であったため、PETシートを特注で仕立て、生産を行いました。PETのシートはPPに比べて溶着でくっつきにくい特性がある上に、使用済み容器を混ぜ込むとなると、さらに溶着加工の難易度が上がります。本当にファイルとして形になるのか、検証・試作と打ち合わせを重ねていきました。

アップサイクルでの製品づくりは、素材を均質にすることが難しいためにさまざまな壁が立ちはだかります。今回のプロジェクトメンバーに、開発の裏話を聞いてみました。

───企画が形になるまでに、苦労した点はありましたか?

市川(生産管理) 最も難しかったのは、ファイルを超音波溶着する工程です。一般的にクリアファイルの素材にはPPを使用するところ、今回使用する化粧品容器がPET製であったため、PETシートを特注で仕立て、生産を行いました。PETのシートはPPに比べて溶着でくっつきにくい特性がある上に、使用済み容器を混ぜ込むとなると、さらに溶着加工の難易度が上がります。本当にファイルとして形になるのか、検証・試作と打ち合わせを重ねていきました。

仕上がったクリアファイルを検品している様子

デザインにかけた思い

───デザインに関して、こだわったことやイメージしたものがあれば教えてください。

前田(デザイナー) 受け取った方が毎日の暮らしの中で豊かな気持ちでお使いいただけるよう、水彩画のようなタッチで植物を描きました。デザインテーマは「ボタニカル」。今回使用した『マイルドクレンジング オイル』や、容器のもつ透明感や清潔感、日々のストレスから浄化され、肌を美しくする洗浄のイメージから、水彩画の優しさと伸びやかなタッチで植物の生命力を力強く表現しました。

───デザインに関して、こだわったことやイメージしたものがあれば教えてください。

前田(デザイナー) 受け取った方が毎日の暮らしの中で豊かな気持ちでお使いいただけるよう、水彩画のようなタッチで植物を描きました。デザインテーマは「ボタニカル」。今回使用した『マイルドクレンジング オイル』や、容器のもつ透明感や清潔感、日々のストレスから浄化され、肌を美しくする洗浄のイメージから、水彩画の優しさと伸びやかなタッチで植物の生命力を力強く表現しました。

iPadでクリアファイルのデザイン、花の絵柄を描いているところ

営業担当からのメッセージ

完成したノベルティのファイルを持った営業担当
営業・竹井

竹井(営業) 消費者の環境保護に対する関心や意識は年々高まっており、エコ仕様のノベルティを希望される声が増えています。その中でも、企業活動の中で排出される古紙や端材、回収素材などを使ってアップサイクルする取り組みは、各企業らしい環境配慮活動になる一方で、簡単に実現できるものではありません。今回、ファンケルさまとお取り組みさせていただき、回収容器をどのようなアイテムに仕立てるのがよいのか、素材の特性を考慮しながら検討やテストを重ね、ファンケルさまや製造工場の多大なるご協力のもと、最終的に一つのプロダクトが完成したことを大変嬉しく思います。
毎日が少し嬉しくなるような、生活に花を添える素敵なアイテムになるよう心を込めてデザインしました。お手元に届いた方々に喜んでいただけることを心より願っております。

竹井(営業) 消費者の環境保護に対する関心や意識は年々高まっており、エコ仕様のノベルティを希望される声が増えています。その中でも、企業活動の中で排出される古紙や端材、回収素材などを使ってアップサイクルする取り組みは、各企業らしい環境配慮活動になる一方で、簡単に実現できるものではありません。今回、ファンケルさまとお取り組みさせていただき、回収容器をどのようなアイテムに仕立てるのがよいのか、素材の特性を考慮しながら検討やテストを重ね、ファンケルさまや製造工場の多大なるご協力のもと、最終的に一つのプロダクトが完成したことを大変嬉しく思います。
毎日が少し嬉しくなるような、生活に花を添える素敵なアイテムになるよう心を込めてデザインしました。お手元に届いた方々に喜んでいただけることを心より願っております。

デザインフィル コマーシャルデザイン事業部では、自社製品に対してロゴやデザインを加える、オーダーいただいたものをただ作るだけではなく、お客さまの悩みや事業課題に一緒に向き合い、解決するようなものづくり「共創(B with B)」(※)に力を入れています。
私たちはこれからも、廃材に新たな価値を持たせるものづくりを通し、サステナブルな企業活動を応援してまいります。

デザインフィル コマーシャルデザイン事業部では、自社製品に対してロゴやデザインを加える、オーダーいただいたものをただ作るだけではなく、お客さまの悩みや事業課題に一緒に向き合い、解決するようなものづくり「共創(B with B)」(※)に力を入れています。
私たちはこれからも、廃材に新たな価値を持たせるものづくりを通し、サステナブルな企業活動を応援してまいります。

※対法人事業を「BtoB」事業とするのに対し、企業のさらに先にある課題解決をお客さまと一緒(with)に行うという考え方。

※対法人事業を「BtoB」事業とするのに対し、企業のさらに先にある課題解決をお客さまと一緒(with)に行うという考え方。

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